集客力を高めるローカルSEO対策とは

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近年、ローカルSEO対策が店舗ビジネス関係者の間で注目されています。その理由は何でしょうか。ここではその理由、ローカルSEO結果表示の種類、ローカルSEOの順位決定要件、ローカルSEO対策の手順などを解説します。

ローカルSEOとは

ローカルSEOとは、Google検索においてローカル(地域情報)検索に特化した最適な検索結果のことです。その対策がローカルSEO対策です。
具体的には「新宿 貸会議室」、「目黒 ペットクリニック」など「地域+企業名・業種・業態・商品」をキーワードに検索した時に、自社サイトがGoogle検索結果やGoogleマップに上位表示されるSEO対策を施すことです。
ローカルSEOは2015年に導入された「ヴェニスアップデート」と呼ばれるGoogleアルゴリズムによるものです。「ユーザが特定地域の情報を知りたい」との情報ニーズに対応するためアルゴニズムです。
パソコンのIP、スマートフォンのGPSなどの位置情報から特定の地域に特化した情報を反映したGoogle検索結果が、新たに表示されるようになりました。
現在は地域名を入力しなくても「ラーメン店」、クリーニング店」、「生花店」などの業態を入力するだけで、自然検索結果画面に全国の店舗のWebサイトが表示されるようになっています。

ローカルSEOの特徴は、地域に特化した検索であるので、店舗ビジネスを展開している企業の知名度が向上しやすいことです。また全国チェーン展開をしている大企業よりも、地元で営業している個人経営クラスの店舗の方が、適切なローカルSEO対策を施せばGoogle検索結果の上位表示が可能です。
したがって店舗ビジネスを展開している企業は、ローカルSEO対策が重要と言われています。

店舗ビジネスは、SEO(検索エンジン最適化)では、SEO対策が優れている大企業の店舗情報が自然検索結果の上位を占めており、個人営業クラスの店舗情報が上位表示される可能性はほとんどありません。
ところがローカルSEOの検索結果は、自然検索結果よりもローカル企業の店舗名を記したGoogle Mapが検索結果表示画面の上の位置に表示されるので、ユーザの認知度が高くなり、情報アクセスの可能性も高まります。ローカルSEOが店舗ビジネス関係者の間で注目されているゆえんと言えます。

ローカルSEO結果表示の種類

ローカルSEOの表示結果には幾つもの種類があります。その代表的なものが次の2つです。

ローカルパック

特定地域の情報(ローカル)をまとめて(パック)表示するのでローカルパックと呼ばれます。
例えば「四谷 レストラン」でGoogle検索をすると、検索結果画面右側のGoogleマップに四谷の周辺地図と、その地図上に複数の飲食店名が表示されます。
近年は通常のキーワード検索より上位に表示されるケースも多く、ユーザの目に留まりやすいのでローカルSEO対策においては重要性が増しています。
ローカルパックには検索キーワードとの関連性が高い企業・業種・業態・商品の上位3件が表示されます。

ナレッジパネル

ナレッジパネルはGoogle検索画面の右側に表示される検索結果で、企業名、店舗名、施設名などを固有名詞で検索した際に表示されます。
パネルの左に当該企業の会社概要、事業概要、商品情報などが表示さるので、通常のキーワード検索よりピンポイントで目的の情報にアクセスできるのが特徴です。

ローカルSEOの順位決定要件

ローカルSEOは、Google検索エンジンが次の3要件により最適な検索結果を表示するとされています。

(1)検索キーワードとの関連性

ユーザが入力する検索キーワードと自社店舗との関連性です。
例えばユーザがレストランを検索する時は、「キーワード+」として個室、喫煙席、料理メニューなど様々な語句で検索します。自社店舗情報の中にこれらの情報が網羅されていればGoogle検索エンジンは関連性が高いと判断し、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。これらの情報が少ない場合は、関連性が低いと判断されます。
したがってGoogleマイビジネスのプロフィール欄に詳細な自社店舗情報を登録しておくことが重要です。

(2)店舗所在地との距離

ユーザが新宿、渋谷などの地域名で検索した時の、検索場所から自社店舗までの距離です。ユーザが検索した時の場所から自社店舗までどれぐらいの距離があるのかは、Google検索エンジンが最適な検索結果を表示する際の重要な要素です。これに加え自社店舗をユーザが容易に探し出せるようにするためにも、店舗名と所在地を正確に登録しておく必要があります。

(3)自社店舗の知名度

自社店舗がユーザにどれだけ広く認知されているかの要件です。
知名度は、自社店舗がWeb記事で紹介され、それがサイテーションされて話題になっている、Googleマイビジネスでの口コミ数が多く評価も高いなどの評価点により、Google検索エンジンが表示順位を判断します。これにはインターネット以外のオフライン媒体上の知名度も加味されます。

ローカルSEOのメリット・デメリット

ローカルSEOのメリットとして、次の2つが挙げられます。

(1)上位に表示されると認知度が上がり、集客の可能性が高まる

自社店舗情報がローカルSEOの検索で上位に表示されると、自然検索結果の1位よりも上位の表示になるのでユーザの目に留まりやすく、認知度が高まります。また店舗の写真と位置がGoogle Mapで一目瞭然になるので、検索したユーザが来店する可能性も高まります。

(2)無料で広告できる

Googleが2014年にGoogleマイビジネスのサービスを開始するまでは、企業は自社店舗情報をインターネットで発信するためにWebサイト開設し、自社ビジネス関連の情報ポータルサイトへ広告出稿するなどのコストがかかりました。
しかし現在は無料のGoogleマイビジネスに情報登録をすれば、Google検索ユーザに情報発信ができるので情報発信のコストが発生しません。

一方、デメリットは自社店舗に対するネガティブな評価が拡散され、悪評に晒されるリスクです。
しかしこのリスクも、ネガティブな評価に対しても真摯に向き合い、そのユーザに丁寧に返信することで第三者ユーザの好感を獲得するなど、ピンチをチャンスに変えることも可能です。
なお事実と異なる悪意のネガティブ評価をユーザレビューに書き込まれた場合は、Googleマイビジネスに削除要請できます。悪質な行為には毅然と対処する勇気も必要でしょう。

ローカルSEO対策の手順

ローカルSEO対策は、次の3手順が基本になります。

手順1:Googleマイビジネスに登録をする

ローカルSEO対策をするには、Googleマイビジネスに自社店舗名、所在地、営業時間、サイトURL、店舗や商品の写真などを正確に登録する必要があります。

手順2:「NAP」を統一する

NAPとはName(名称)、Address(住所)、Phone(電話番号)のことです。「NAP」を統一するとは名称、住所、電話番号の表記を統一することです。チェーン店の場合は店長やオーナーによりNAPがバラバラのケースが見られますが、表記を統一することでGoogle検索エンジンが同一チェーン店だと判断しやすくなります。

手順3:知名度向上対策をする

ローカルSEOにおいては、自社店舗の知名度が検索結果表示順位決定の大きな要素になります。このため情報ポータルサイトやキュレーションサイトで紹介される、自社店舗関連のWebサイトにサイテーションされる、SNSに自社店舗のポジティブ評価が投稿されるなどの知名度向上対策が需要です。
この対策は自社と利害関係のない第三者の判断に委ねることになるので、自社店舗の接客を始めとする様々な品質が名実ともに優れていることが前提になります。換言すれば、ローカルSEOの知名度向上対策は自社ビジネスの品質を社内評価し、劣っている品質は改善する機会になるでしょう。

まとめ

ローカルSEO対策は自社店舗の特徴と魅力をGoogleマイビジネスに登録し、情報発信することから始まります。
ここで差別化や受けを狙った奇抜な情報発信は逆効果になります。Googleマイビジネスで飾りのない正しい情報を発信し、自社店舗の特性にマッチしたユーザに来店してもらい、顧客満足度の高い商品と接客サービスを提供することこそ、真のローカルSEOと言えるでしょう。