カスタマーサクセスのKPIとは?

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多くの企業には、カスタマーサポートやカスタマーサービスと呼ばれる顧客対応窓口があります。
ところが単なる顧客のサポートだけでなく、成功に導くためのカスタマーサクセスと呼ばれる職種が近年では注目されるようになりました。
ここではそんなカスタマーサクセスについてご紹介します。

カスタマーサクセスについて

カスタマーサクセスを日本語にすると、顧客の成功という意味合いになります。
そのため冒頭でご紹介したように、カスタマーサクセスは自社の商品やサービスを活用することで顧客の成功を後押しするという大きな目的があるのです。
その上、顧客に寄り添いながら成功への道筋をつけていく必要があるため、顧客との信頼関係を保つことも必須条件となります。
ここではそんなカスタマーサクセスについて、その重要性や役割について詳しくご紹介いたします。

カスタマーサポートとの違い

一般的によく知られているカスタマーサポートという部署は、顧客からの問い合わせに対して問題解決をして、不満や不安を取り除くという役割があります。
また出荷した商品の中には、不合格品が混じっていることもあるのでクレーム対策も重要な役割としてあります。
一方カスタマーサクセスは、あまり馴染みのない方であれば上述したようなカスタマーサービスの一種だと勘違いされるかもしれませんね。
ところが顧客への対応という点では同じですが、やはり根本的な目的や役割が異なります。
とりわけ顧客の課題を的確に見抜きながら、自社の商品やサービスをうまく活用しながら成功へと導いていくのがカスタマーサクセスという職種です。
そのため結果的には、定期購入の商品やサービスの解約を防止するということも可能となります。
またカスタマーサポートの場合、顧客からの問い合わせがあって初めてアクションを起こすようになります。
そういう意味では、カスタマーサクセスに比べると受動的な対応ということもできるでしょうね。
それに対してカスタマーサクセスは、能動的に常に顧客をサポートしないといけません。

カスタマーサクセスの重要性

近年では、サブスクリプション型サービスというのが増えています。
ちなみにこのサブスクリプション型サービスというのは、商品やサービスの提供数ではなく利用期間に対して対価を支払うサービスのことをいいます。
例えば近年多くのユーザーに人気のあるネット動画です。
このネット動画の中でも最大手ともいえるアマゾンやネットフリックスなどは、月額や年額単位で料金を支払うシステムになっています。
ところがこうした人気の高いコンテンツというのは、競合他社も多いのでユーザーの解約率も高くなります。
そのため、こうしたサブスクリプション型サービスの解約率を低下させるためのサポートというものが重要な要となります。
やはりそうした解約率を下げるためには、顧客の視点に立ったサポートをすることにより顧客の満足度を高める必要があります。
そうすることで、結果的に解約率も下げることができます。
そうした役目をするのが、今回ご紹介しているカスタマーサクセスという職種です。
また商品やサービスの解約率を下げるためには、顧客が困っている時にいかに能動的なサポートができるかという点にかかっています。
そうしたサポートを目指したアクションを取るのもカスタマーサクセスの役割といえるでしょうね。

カスタマーサクセスを成功させるには?

すでにご紹介したように、自社の商品やサービスに対する顧客満足度を高めて解約率を下げるにはカスタマーサクセスの役割が要となります。
またカスタマーサクセスを成功させるには、KPIの設定がとても重要です。
このKPI設定を誤ると期待した効果も得られなくなるので、正しい設定方法というものをキチンと理解しておくことも大切です。
ここではそんなKPI設定についてご紹介します。

KPIとは?

まずはKPIという言葉自体を知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このKPIとは、Key Performance Indicatorの略語で主要業績評価指標という意味合いになります。
ただし例え日本語に訳しても、主要業績評価指標という言葉がよく分からないという方も多いかもしれません。
もっと分かりやすい表現にすると、目的を達成するための各ステップをゴールから逆算します。
そして最終目標を明確にしながらゴールを確実につかみ取るための適切な数値設定(中間目標)のようなものをいいます。
またこのKPIと同時によく利用される言葉に、KGIがあります。
このKGIとは、Key Goal Indicatorの略語で重要目標達成指標という意味合いになります。
そこでこうしたKPIとKGIをさらに分かりやすい例えでご紹介します。
まずはKPIが細分化された中間目標であれば、KGIは組織が目指すべきゴール設定のようなものに相当します。
例えば企業内の各部署が設定する目標がKPIであるのに対して、企業全体の年度目標がKGIということになります。

KPIの設定方法

このKPI設定には、様々なツールが用いられます。
例えば各々の部署やセクションごとにKPI設定を行うためには、年度目標や事業全体の売上目標から因数分解をしていきながら導き出します。
その際には、月ごとに上げた収益(月次収益)で新規顧客や既存の顧客など全ての収益を合算した数値がよく利用されます。
あるいは、今年度の営業利益目標(KGI)を設定した場合、営業利益は顧客数と顧客単価を掛け合わせた数値になります。
そして営業利益を上げるには、顧客数を増やしたり商品単価を上げるといった方法がKPI設定として考えられます。
このようにして、具体的に数値化して目標設定を行わないと曖昧に過ごしてしまう可能性があります。
ただしKPI設定をできるだけ細分化して数値化せよ!とはいっても、時間単位の売上まで数値化してしまうとかなり窮屈な業務内容となってしまう恐れもあります。
また、SMARTモデルと呼ばれるフレームワークに相当するツールもよく利用されます。
ちなみにこのSMARTモデルとは、Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-boundedという英語の略語になります。
それぞれの英語を日本語に訳すと、「具体的な・計測可能な・達成可能な・関連した・期限を定めた」という意味合いになります。
つまりはこれらの5つの設定ポイントを意識しながら、KPI設定をすると達成しやすくなるということです。
やはり具体的なKPI設定をしないと、各部署の一人一人が主体的にかつ意欲的に活動することができません。
あるいはできるだけチームの一人一人が計測可能なものにしておかないと、ゴールに向かって意欲的に活動することができません。
最後の期限を定めるという点についても見落としてはいけません。
やはり目標を設定する際には、期限というものをキチンと決めておく必要があります。
もし期限がない目標だと、他の緊急業務が入ってきた際に先送りになってしまいがちです。
その結果、とりあえずKPI設定をして活動を行ったというだけで、ゴールのKPIには至らなかったという結果になってしまうかもしれません。
その他にも、各部署やチームごとに売上データー等を共有したり可視化するということも大切です。
さらには定期的に、KPI設定を見直しながら修正を行うということも大切です。
何故なら最終目標ともいえるKGIを達成するまでの、途中経過というのはとても大切です。
とりわけ目標達成が難しいと判断される際には、KPI設定の見直しや修正は必須条件となります。

まとめ

自社の商品やサービスに対する顧客満足度を高めて、解約率を下げるためのカスタマーサクセスという職種の役割についてご紹介しました。
またカスタマーサクセスという職種を全うするために、欠かせないKPI設定やKGI設定についてもご紹介しました。
近年多くの企業で注目をされているこうしたカスタマーサクセスという役割の重要性について、より一層理解できたのではないでしょうか。