アドネットワークとDSPの違い

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 スマートフォンやPCを使っていてバナー広告を見ないことはありません。ネット上で、毎日目にするバナー広告ですが、膨大なネット上のサイトでどんなプロセス、ロジックで配信されているのでしょうか。

 ここではネット上に広告を掲載する広告主の立場からも、それを受け取ている消費者の立場からもできるだけわかりやすくネット上の広告の配信、受信について触れていければと思います。昨今オンライン上の広告については、複雑多様化しています。そのテクノロジーなどに言及できればと思っています。

アドネットワークとは

ネットワーク広告特徴

 インターネット上の広告は物理的な広告と違って、Webサイトからスマホアプリまで様々な形態があります。一つ一つのサイトに広告を掲載しようとすると膨大な数の広告枠と契約しなくてはなりません。

 インタネット広告の多様化に伴い、広告主が多様化するネット広告掲載について、莫大な広告枠を束ねて管理し、掲載してくれるシステムの必要性が生まれました。

アドネットワークのしくみ

 アドネットワークはWebサイトやブログ、SNSなど多様化するネットワークサイトにメディア広告を束ねて一括して掲示するやり方なのです。

 広告配信の際ネットワークに加盟しているメディアに一括して配信できるシステムです。広告主の要望に合わせた広告枠に掲載できるようにしたシステムなのです。広告の課金形態も一括ですから、広告の運用管理の負担が少なく合理的に配信できるようになったのです。

アドネックワークの中身

 アドネットワークが効率的にネット広告配信をしてくれるシステムであることは理解してもらえたかと思います。では具体的にはどういう配信を行っているかです。

①広告した媒体の条件やURLを登録する。

②「女性向け」「ファッション」「時間指定」など条件に合う媒体を指定することができる。

③行動ターゲティング広告を行うことで広告への関心を煽ることができる。例えば一度自社のサイトに来訪した消費者にもう一度自社の広告を配信する「リターゲティング」などです。

④配信した広告の表示回数、クリック回数、クリック率、コンバージョン率などの効果測定がリアルタイムでできる。

アドネットワークの強み、弱み

 アドネットワークは広告配信ネットワークに加盟しているメディアに一括して広告配信できるシステムというだけでなく課金システムも充実しているので、広告主にも便利なシステムです。

 さらに、広告に関しての各種データも収集できます。消費者のネット上の閲覧履歴に沿った広告提供などのシステムも可能なのでより効率的に広告運用が可能です。

 半面、ネットワークの中で広告枠の指定をできないという点も弱みになっています。広告を受け取る消費者側の情報に影響を受けるばかりでコンテンツとの関連性が弱い配信になってしまうことがあります。ブランドと関係のない広告が表示されると閲覧中のコンテンツのイメージを崩してしまうこともあります。

 コンテンツ閲覧中にあまり無関係な広告が表示されると迷惑な気分になることはありますね。これはアドネットワークの不十分な部分かもしれません。しかし、アドネットワークには広告主と消費者を盗豚目に多くの配慮が行われています。

DSPとは

 そういう点でいうとアドネットワークとはあくまで「ネットワーク」でしかないのです。それに対してDSP(Demand Side Platform)はアドネットワークの運用を効率的に行うためのツールです。

 また、SSP(Supply Side Platform)はDSPと連動したツールです。広告配信を提供する媒体に広告効果を最大限に利益をもたらす広告は何であるのかを瞬時に判断するツールです。媒体面のコンテンツの内容や消費者の閲覧履歴に基づいて最もふさわしい広告を選んで掲載するシステムです。

 広告主のニーズが先行して消費者の目に留まるようなやり方だにこだわると、広告を出しているコンテンツのブランドイメージを壊してしまうこともあるとは先に書きました。

 同じようなことはほかにも起こるでしょう。昼食時においしいランチを食べられるお店を探しているときに、前日検索してた自動車関連の広告が現れたりすると消費者の消費意欲を無視していることになるでしょう。

 そのような齟齬をなくそうと消費者の見ている記事やその日の検索履歴に即した広告を選ぶシステムなのです。 

DSPのしくみと種類

 DSPはアドネットワークのシステムをより効果的に広告主から消費者に無理なく伝えるためのツールです。DSPにより配信される広告を「DSP広告」といいます。

 DSPはどのように使いどのようなものがるのでしょうか。

DSPの使い方

①広告主はDSPに広告クリエイティブ、入札金額、ターゲットなどを登録する。

②メディア・媒体側がSSPに自社の広告枠と最低入札額を登録する。

③媒体が管理するWebページにユーザーがアクセスして広告を閲覧する情報がSSPに届く。

④SSPはDSPに登録された広告で最も高額で、最も消費者の動向にあった広告を掲載する。

 このような流れでアドネットワークのシステムがより快適に活用されるようになっています。効率もよく金額的にも合理的な広告が自動的に消費者に届くのです。

 広告主ばかりではなく、閲覧者にとっても合理的なシステムであろうとしているのです。

自動型DSPサービス

  配信方法や配信目標が事前に設定された内容とそれまでの配信結果をもとにそれぞれのDSPツールに沿って自動的に広告が最適化されるやり方です。

 独自のアルゴリズムに沿って自動的に最適化されるので独自に運用する必要がありません。半面、細かな調整等を間違うと期待する効果が得られないこともあるでしょう。

 代表的なDSPとしてCriteo(クリテオ)があります。CRITEO社が提供するDSP広告サービスで、Googleに次ぐ世界2位のネットワークを持ち日本国内のシェアは92%といわれています。

 優れたダイナミックリターゲティング機能を持つ。莫大なユーザーデータを活用してWebサイトの商品やサービスの詳細ページを訪れたユーザーに対して、履歴をもとに該当商品やサービスに関連する広告を自動で生成して表示することが可能です。

 スマホでも、pcでもタブレットでもディバイスに合わせた見やすい状態で広告配信を行うことができる。

運用型DSPサービス

 サービス提供する会社に任せず、自分運用するタイプのDSPです。広告効果を細かく分析しながら、手動で調整が効くのが特徴です。児童型に比べて運用に手間がかかりますが効果改善のための柔軟な対応が可能です。

 FreakQut(フリークアウト)

 フリークアウトホールディングス社が提供するDSP広告サービスです。ブランド効果をはじめとする評価が困難な施策の数値化に特徴があります。直接効果につながった広告だけでなく、成長につながったすべてのアプローチ履歴を解析して貢献度を計る分析が可能です。

 利用者の好みに合った商品やサービスを推薦するリンク付きの画像配信など、豊富な機能を備えています。

Logicad(ロジカド)

 ノネット・メディア・ネットワーク社の提供するDSP広告サービスです。越すおtパフォーマンスお高さと柔軟性に富んだツールで、初期設定費用が掛からない分低リスクで利用できます。複数のおすすめプランを自動で提供してくれるためターゲットの設定や分析が細かくできるだけでなく、サポート体制も充実しています。配信設定の柔軟性が高いのが最大の利点です。

 半面運用者の知識や経験が顕著に表れることが多いツールです。

まとめ

 アドネットワークやDSPの登場によってインターネット上での広告主の負担は格段に軽減されました。さらにインターネット広告の枠単位の配信から、個人単位の配信が可能になります。

 今後はターゲティングなどの精度も増していくことになるでしょう。それだけインターネット広告の分野は進歩が著しいです。その根本を支えているのがアドネットワークであり、DSPなのです。