オウンドメディア集客、成功のポイントはこれだ!

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インバウンドセールスの中核的マーケティング手法と言われる「オウンドメディア集客」が注目されています。ところが比較的新しい手法であるせいか、関心はあっても実際に導入し、成果を上げている企業はまだ少ないと言われています。そこでオウンドメディア集客のメリット、SEO対策の必要性、成功のポイントなどを解説します。

オウンドメディア集客とは

オウンドメディア(Owned Media)とは、直訳的には「自社保有のメディア」のことです。
広義にはコーポレートサイト、メールマガジン、会社案内、事業報告書、CSR報告書、社史などを指します。
しかし一般に「オウンドメディア」と言う場合は、狭義の「販促活動の集客専用Webサイト」を指します。
オウンドメディア集客の重要性が高いのは、インターネットとWebサイトの進化により、ユーザの情報収集活動が能動化してきたからです。すなわちユーザは、新聞や総合雑誌のような広くて浅い情報ではなく、業界専門紙や専門雑誌のような深くて広い情報をインターネットで「いつでも・どこでも」入手する行動に変わってきました。
したがって企業側もこうしたユーザの情報ニーズや情報収集活動に対応した情報提供をしなければ、存在感のない企業と化してしまう時代になっています。こうした時代背景から生まれたのが、ユーザにとって有益な情報を提供する「コンテンツマーケティング」と言えます。このコンテンツマーケティングの主軸でありインバウンドセールスの中核的マーケティング手法が、オウンドメディア集客と言えます。

オウンドメディア集客のメリット

オウンドメディア集客のメリットとして、一般に次が挙げられます。

(1)潜在見込み客の顕在見込み客転換と顧客への育成

オウンドメディアサイトへアクセスしてくれるユーザは、受動的にみる広告と異なり、「その情報を知りたい」との動機から能動的にアクセスしています。
そしてオウンドメディアのコンテンツが、そのユーザが必要としている情報やビジネス・生活に役立つ「お宝情報」であれば、リピート率が高まり、そのオウンドメディアに対する信頼感と期待感が高まり、潜在見込み客から顕在見込み客に転換します。
またそうしたユーザのサイト内の行動分析やアンケート回答・問合せ・会員登録などのコンバージョン分析により、購買行動をしてくれる「顧客」への育成が可能になります。

(2)広告のみに依存しない販促活動

広告には幅広いユーザ層へのリーチが期待できる反面、広告掲載を止めた途端にリーチができなくなる問題があります。自社商品のターゲットユーザにリーチできないので、ムダ弾を撒き散らす問題もあります。このため広告は極めてコストパフォーマンスの低い販促手段になっています。
対してオウンドメディア集客は、自社のオウンドメディアサイトでコンテンツを公開する仕組みなので、広告出稿に比べ極めて低いコストで販促活動が可能です。さらに広告のように不特定多数のユーザを対象にした情報発信ではなく、Googleキーワード検索などで自社コンテンツに興味を持った見込み客への情報発信になるので、コストパフォーマンスの高い販促活動が可能になります。

(3)自社ブランドの認知度向上

オウンドメディアには自社のブランド認知度を高める効果があります。オウンドメディアで自社の知見、独自技術、ノウハウなどを盛り込んだ高品質なコンテンツを提供することで、Googleキーワード検索結果の上位に表示され、アクセス数が増加します。その結果、自社ブランドの認知度が高まるからです。

(4)コンテンツの資産化

オウンドメディアのコンテンツは、一時的かつ短期的な広告と異なり長期的に掲載され、さらにオウンドメディアサイト運営中に新規コンテンツが蓄積されてゆきます。すなわちオウンドメディアのコンテンツは資産化します。
したがって新規ユーザやリピータの別を問わず、すべてのユーザに対して長期的に安定した情報提供ができるようになります。このことはブランディング面においても効果が大きいと言えます。

オウンドメディア集客にSEO対策が欠かせない理由

オウンドメディア集客においてはSEO対策が極めて重要になります。その理由として次が挙げられます。

オウンドメディア集客はキーワード検索からの流入がメイン

オウンドメディア集客においては、Googleキーワード検索によるアクセスがメインになります。したがってGoogle検索結果の上位に表示されるSEO対策が極めて重要になります。
Googleはコンテンツの評価基準として、次の3要件を定めています。

  • Expertise(専門性)……Webサイトで公開しているコンテンツが「特定分野に特化しているか」
  • Authoritativeness(権威性)……第三者から見て「有益性のあるコンテンツか」
  • Trustworthiness(信頼性)……コンテンツの中身が「ユーザにとって信頼できる情報か」

このためキーワード検索によるアクセス数を増やすためには、この3要件を満たしたコンテンツ提供が欠かせません。

安定的な集客増が可能になる

オウンドメディア集客においては、前述の3要件を満たしたコンテンツ対策に加え、内部対策、キーワード対策、被リンク対策のSEO対策を講じることにより、Google検索結果の上位に継続的に表示される確率が高まります。この継続的表示は自社オウンドメディアサイトのアクセスにおいて、増減の繰返しがない安定的・持続的アクセス数の増加を意味します。
その結果、アンケート回答・問合せ・会員登録などのコンバージョン数増加、自社ブランドの認知度向上、顕在見込み客の増加、見込み客・既存顧客との信頼関係構築などの成果を上げる可能性が高まります。

オウンドメディア集客成功のポイント

オウンドメディア集客を成功させるためには、マーケターが留意しなければならない幾つかのポイントがあります。その基本として次が挙げられます。

(1)目的と目標達成指標の明確化

オウンドメディア集客において第一に重要なのが、集客の目的と目標達成指標の明確化です。
まず「なぜオウンドメディアで集客するのか」の目的が曖昧なままでは、すべての現場活動が場当たり的になり、成果が上がらず、何のためのオウンドメディア集客かが分からなくなります。
目的を明確化したら、そのロードマップとなるKGI(Key Goal Indicatorː重要目標達成指標)と、そのプロセス目標となるKPI(Key Performance Indicatorː重要業績評価指標)を設定する必要があります。
KGIもKPIもオウンドメディア集客の目的と商品により千差万別です。例えばKGIの設定が「新規見込み客○○人獲得」だったら、KPIはコンテンツクリック数、コンバージョン数などになります
KGIとKPIを設定することで、集客の測定と集客効果の分析も可能になります。

(2)見込み客・既存顧客との信頼関係を築くための有益なコンテンツの提供

オウンドメディア集客においては、「コンテンツを軸にした見込み客・既存顧客との信頼関係構築」が極めて重要になります。
そのためには「見込み客・既存顧客にとって有益なコンテンツ」を定期的にサイトアップし、法改正等により陳腐化したコンテンツは削除する必要があります。

(3)オウンドメディア集客体制の整備

オウンドメディア集客は長期的なマーケティング活動になります。そのためには、オウンドメディア集客担当の専任マーケターを配置し、そのマーケターの責任と権限の下で関連部門が連携あるいは協力する体制整備も欠かせません。

まとめ

オウンドメディア集客を実現することで、企業はブランディング、存在感発揮、売上・事業拡大などが可能な時代になってきました。オウンドメディア集客の方法や集客経路は1つではなく、「導入企業の数だけある」と言われています。換言すればオウンドメディア集客理論と集客のハウツーは1つですが、その実行には企業ごとの独自性が不可欠になります。オウンドメディア集客は企業の経営理念、ビジネスモデル、企業文化などに根差したマーケティング手法だからです。企業は同業他社の導入事例などを参考に、自社独自のオウンドメディア集客を追求する必要があります。