誤りがちなSEO対策――インデックス数を増やさなくちゃ

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インデックス数を増やすのはSEO対策の「基本のキ」と言われます。しかし、いたずらにインデックス数を増やしてもSEO対策として機能しないケースもあります。SEO対策に有効なインデックスとは、果たして何でしょうか。

そもそも「インデックス数」とは?

「インデックス数」とは、検索エンジンの検索データベースに登録されたURLの総数のこと。「インデックス数=検索データベースに登録されたURL数」とも言えます。

例えばグルーグルの場合、「Googlebot」と呼ばれるクローラ(検索ロボット)がネット上のウエブサイトを定期的に巡回し、グーグルのSEO(検索エンジン最適化)に適合したURLを収集し、検索データベースに登録しています。

したがって、自社サイトのコンテンツがユーザのキーワード検索でヒットするためには、そのキーワードに合致した単語のある文章で綴られたコンテンツのURLが、グーグルの検索データベースに登録されている必要があります。逆に言うと、自社サイトのコンテンツのURLが検索データベースに未登録の場合、ユーザのキーワード検索ではノーヒット。自社サイトのアクセス数は限られ、例えば販促サイトの場合は集客効果がないことになります。

インデックス数の調べ方

インデックス数を調べる一般的な方法は、「Google Search Console」チェックと「site:」チェックの2つになります。

Google Search Consoleのチェック法

自社サイトのインデックス数を調べる場合は、Google Search Consoleで「インデックスステータス」の項目をチェックします。

この項目をチェックすると、過去1年間のインデックス数の増減がグラフ表示されるので、その増減をみれば自社サイトのインデックス数が確実に増えているのか、逆に減り続け、キーワード検索ユーザのサイト訪問数が危機的な状況にあるのかなどを瞬時に把握できます。

しかし、Google Search Consoleのチェックでは自社サイトのインデックス数は分かりますが、例えば競合のサイトのインデックス数などは調べることができません。こうした場合に便利なのが、「site:」チェックです。

「site:」チェックの仕方

検索バーに、例えば「site:競合他社のドメイン名」を入力して検索すると、そのドメインでインデックスされているURLが一覧表示されます。

このインデックス数とGoogle Search Consoleチェックで判明した自社サイトのインデックス数を比較すれば、自社サイトと競合サイトとの優劣などがある程度推測でき、自社サイト改善の目安も立つでしょう。

さらに「site:」チェックで、競合サイトのSEO状況を例えば次のように推測することもできます。

  • 競合サイトのインデックス数が増えている……良質なコンテンツを増やし、SEO適合の度合を高めている
  • 競合サイトのインデックス数が減っている……①不要なコンテンツを削除した、②低品質のコンテンツを削除した、③SEOに適合しないコンテンツがインデックスから削除された

企業等のサイト管理者は、インデックス数のチェックは競合対策の一環になる効用もあることを知っておくと良いでしょう。

自社コンテンツが上位表示されるインデックス数の増やし方

自社コンテンツが上位表示されるインデックス数を増やしたい場合、その前提として検索エンジンにそのウエブページ(URL)の存在を認識してもらい、検索データベースにそれを登録してもらう必要があります。この認識と登録を促すため、一般に次の方法が用いられています。

(1)Fetch as Google機能を使う

検索エンジンは検索データベースに登録する新しいウエブページを探すため、クローラが定期的にネット上のウエブサイトを巡回し、各サイトのウエブページを閲覧しています。そして新しいウエブページや更新されたウエブページを発見すると、そのページを検索データベースに登録します。

ところがクローラの巡回周期はウエブサイトによりまちまちです。クローラは新規・更新ページの公開頻度が高いウエブサイトは短い周期で巡回し、新規・更新ページの公開頻度が低いウエブサイトは長い周期で巡回する性質があるからです。

そこで、もし自社サイトの新規・更新ページの公開頻度が低く、久しぶりに新規・更新ページを公開し、それを1日も早く検索データベースに登録したい場合は、Google Search Consoleの「Fetch as Google機能」を使うと便利です。

同機能を使えば、検索データベースに登録したいウエブページのURLを指定し、検索エンジンにクローラの早期巡回をリクエストできるからです。

(2)階層構造をシンプル化する

自社サイトの階層構造をシンプル化するのも、インデックス数の増加に効果的です。階層構造が5層以上あり、しかもリンクが入り組んでいる重厚で複雑な作りのサイトの場合、巡回に来たクローラはサイト内を回遊しにくいので、新規・更新ページを見落とす確率が高まります。当然、新規・更新ページが検索データベースに登録されるまで時間がかかります。

インデックス数を増やすためには、自社サイトの階層構造シンプル化は重要です。

(3)良質なページ作りに努める

クローラがサイトを巡回するのは、SEOに適合した新規・更新ページを収集し、検索データベースに登録するのが目的です。したがって、SEO適合度の低いページは検索データベースへの登録確率が低下し、インデックス数増加が困難になります。

これを防ぐためには、

  • 検索ユーザにとって有益なコンテンツが充実している……情報を検索したユーザはどんな問題を抱えているのか、どんな情報を求めているのかなどを第一に考え、自社が発信したい情報ではなくユーザが知りたい情報満載のコンテンツが公開されている
  • 異口同音のコンテンツがない……コンテンツのタイトルや見出しが異なっていても、その内容はいずれも似たり寄ったり。これではサイト自体の信頼性が失われる
  • 関連コンテンツが豊富……1つのテーマでそれに関連するコンテンツが豊富なサイトは検索ユーザが頻繁に訪れ、リピートユーザも多い

などのページ作りが重要と言えます。

インデックス数とSEO対策の意外な関係

インデックス数の増加はSEO対策の「基本のキ」と言われています。しかし「インデックス数の多いサイトがSEO対策に有効」と断言できないのが、SEO対策の難しいところと言えます。

なぜなら、グーグルはサイト上で公開されるウエブページの専門性、権威性、信頼性の3基準を検索結果上位表示の条件にしているからです。この3基準に満たないページはキーワード検索でヒットしても、その表示は最下位グループになります。グーグルの評価基準に満たないページのインデックス数をいくら増やしても、検索ユーザにアクセスされるチャンスが少ないページを、経費を使って自社サイトで公開し続けることになります。販促サイトの場合は集客効果のないコンテンツを、経費を使って運用し続ける結果になります。

つまりSEO対策が確実にできているサイトとは、エビデンスが明確な専門性、権威性、信頼性があり、検索ユーザの情報アクセス目的を満足させるコンテンツが多く、サイト自体の情報信頼性が高いサイトと言えます。実際、検索結果上位に表示されるインデックス数が確実に増加しているサイトは、このことを常に意識し、努力していると言われています。

もう1つ、インデックス数とSEO対策の関係で見落としてならないのが、サイトの品質チェックです。

いくらインデックス数が多くても、その大半が検索結果の下位グループに表示されているなら、そのウエブページを掲載したコンテンツの品質が低いことになります。インデックス数とSEO対策の関係性は、自社サイトのコンテンツ品質の評価尺度にもなるでしょう。

まとめ

例えばグーグルの検索結果で、上位表示される完璧なSEO対策を実施するには、全部で200項目以上あるGoogleの評価指標をクリアする必要があります。これは一般企業にとって至難の業と言えます。経費も時間もかなりかかります。そんな完璧さを求めるより、グーグルのウエブサイト評価基準である「E―T―A」(専門性、権威性、信頼性)を踏まえた良質なコンテンツを少しでも多く制作し、サイトアップすることが上位表示を目指すSEO対策の近道と言えます。そのためにもサイト管理者は、インデックス数の定期的なチェックが欠かせないでしょう。